愛媛大学農学部食料生産学科
植物病学研究室

Laboratory of Plant Pathology

生命科学から次世代農学へ

基礎研究あっての応用研究

これまで解決できなかった問題を新しい技術を使って克服できる時代になってきました。そして応用研究を行うためにはより一層、地道な基礎研究が大切です。私たちの研究室では、植物病理学の基礎から遺伝子工学などの最新技術まで学ぶことができ、基礎研究を通して諸問題の解決に貢献できます。
植物の病気を学びたい、食糧問題や環境保全に分子生物学的に取り組みたい、遺伝子組換えに興味がある、植物免疫について研究したい、という人はぜひ研究室に参加してください。大学院生については学部で植物病理学を学んでいなくても歓迎します。

植物の病気を研究する

植物病理学

植物は地球上のあらゆる生物の生命活動を支える源であり、私たち人間にとっては食料生産および環境維持に必要不可欠な存在です。しかし、作物をはじめとする植物は様々な環境ストレスにさらされており、食料確保や環境保全のためにいかに植物を保護するかが重要となってきます。実際に毎年、作物の総収量の30〜40%が病害虫によって失われています。植物の病気、特に病原体によって引き起こされる病害の仕組みを究明し、それを予防する方法を研究する学問が植物病理学です。植物にとっての医学と考えてもいいかもしれません。私たちの研究室では、病原体がどのようにして病気を引き起こすのか、それに対して植物はどのようにして病気と闘うのかを細胞学的、分子生物学的に研究しています。主に絶対寄生菌であるオオムギうどんこ病菌に着目し、その形態形成と感染戦略について様々な方向からアプローチしています。他にも様々な病原菌について研究しています。

研究対象生物

植物病原菌

オオムギうどんこ病菌(Blumeria graminis f. sp. hordei
各種うどんこ病菌(Erysiphe trifolii, Podosphaera xanthii
サトイモ疫病菌(Phytophthora colocasiae
オオムギ黒節病菌(Pseudomonas syringae pv. japonica
トマト斑葉細菌病菌(Pseudomonas syringae pv. tomato
カンキツ黒点病菌(Diaporthe citri)など
 
 

 宿主植物

オオムギ(Hordeum vulgare
シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana
ベンサミアナタバコ(Nicotiana benthamiana
ブラキポディウム(Brachypodium distachyon
エンドウ(Pisum sativum
柑橘類(Citrus spp.
サトイモ(Colocasia esculenta
キュウリ(Cucumis sativus)など

研究室の活動と主な年間行事

研究室では、毎週月曜日の朝にミーティング、毎週木曜日にセミナー(プログレス、ジャーナルクラブ)を行っています。日々、英語の論文を読んだり、細胞生物学、分子遺伝学や生化学的な実験をしています。また、オオムギうどんこ病菌は絶対寄生菌なので、維持するために人工気象器内で毎週オオムギに接種し続けています。秋から春にかけては農学部圃場にあるガラス室内のオオムギの世話もします。その他の植物病原菌の維持のためにトマトやジャガイモ、ダイズやキュウリなどいろんな作物も栽培しており、その収穫も研究の楽しみのひとつになっています。

8月にオープンキャンパスがあり、普段なかなか見ることのできない病原菌を顕微鏡で観察することができます。
 

大学院入学試験が8月末にあるため、大学院進学希望の4回生にとっては“暑い夏”になるでしょう。新たに大学院進学に興味を持つことになった場合や万が一合格できなかった場合でも、冬に第2次入学試験がありますので進路を考え直す時間は十分にあるといえます。大学院進学に興味のある人は教員にメール等で連絡してください。

研究を頑張っていると学会発表の機会が与えられることがあります。自分の成果を発表したい人、最新の情報に触れて刺激を受けたい人、他大学の研究者や学生と交流したい人、全国各地に行ってみたい人などは日々実験に邁進しましょう。

住所

〒790-8566
愛媛県松山市樽味3-5-7
愛媛大学農学部 本館南棟416室
 

大学院生募集中

興味のある方は教員にメール等で相談して下さい。