株式会社三祐コンサルタンツ
インタビュー
2025/10/10
- 日時:2025年8月7日(木)16:00~
- 場所:愛媛大学農学部
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- 平石 カムイ(ひらいし かむい)
- 卒業年:令和6年修
勤続年数:1年
勤務先:株式会社三祐コンサルタンツ 本社 総合計画部
担当業務:河川協議・事業計画書の審査対応・ICT実証試験
大学での学び/仕事と接点について


どのような大学生でしたか?
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平石さん
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当時はまだコロナの影響がなかったため,比較的自由に活動でき,様々な経験を積むことができました.自分一人で何かを成し遂げるよりも,他者と協力しながら取り組む中で多くの学びを得たと感じています.
部活動は,ワンダーフォーゲル部と写真部に,バイトは飲食店や,柑橘収穫のお手伝い等をしました.また,大学1,2年ではインドネシアでフィールドワークを行う課外授業(SUIJI)に参加しました.さらに,農学部の自治寮に住んでいたことから,寮の行事や運営にも携わっていました.学業だけでなく,様々な団体に所属して自分の興味のあることをたくさん経験した学部生時代でした.
大学3年生の後期からは,専門科目の授業に加えて就職活動も始まり,非常に多忙な日々を過ごしました.元々マルチタスクが得意ではなく,自分のキャパシティを超えていたこともあり,就職活動がうまく進まず,将来の方向性が定まらないままでした.
自身の将来設計を見直すために,指導教員の先生に相談して休学を決意しました.休学開始がちょうど2020年のコロナパンデミックの始まりと重なり,自由な活動は制限されましたが,先生の紹介で他大学のフィールド活動や野生鳥獣調査などにも参加し,自分なりに進路について模索しました.
復学後もすぐには方向性を定めることができず,大学院進学を選択しました.大学院進学は,研究1つに集中して取り組むことができたことが,とても貴重な経験だったと思います.
卒業研究では兵庫県の淡路島のため池について研究しました.大学院進学後は卒業研究の内容をもとに投稿論文の作成に取り組み,引き続き兵庫県の淡路島を対象にして小規模農業について研究を行いました.
大学院1年の後期から本格的に就職活動を開始しました.はじめは農業土木に限らず,一般土木(都市土木)の就職を検討していましたが,インターンシップや企業説明会を通して,自分の知識や経験,興味が農業土木に特化していることを実感しました.最終的に,農業土木分野の建設コンサルタントに絞って就職活動を行いました.

勉強面で,特にどの学習が今の仕事に役に立っていますか?
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平石さん
- 卒業・修士研究の取り組みを通して,仕事の進め方,スケジュールの管理の仕方,調査手法など,基礎的なスキルを養うことができました.

学生時代にやっておいてよかったことは何ですか?
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平石さん
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農業土木関連の仕事なので,愛媛大学の地域環境工学コースで学んだことがそのまま仕事に関わることも多いです.
例えば,水利権更新業務(河川協議)では,水文学や農地水循環の知識が役立ちます.授業でやった内容を思い出して応用することが多いです.
学生のときに,しっかり勉強しておくと一度忘れても再び学びなおしがしやすく,一つの財産になります.
あとは,時間を存分に使ってできる長期の旅行は,ぜひ学生のうちに楽しんでください.

就活中の自分にアドバイスするなら? 就職先選びの基準は?
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平石さん
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面接のときの雰囲気や,会社説明会のときの社員の方々の様子を観察するとよいと思います.また,迷ったときは自分のフィーリングを信じることも大切です.
人との接し方は,企業や部署によってずいぶん異なると感じたため,インターンシップやOB・OG訪問で,事前に職場の雰囲気を見ておいた方が良いと思います.

就活時の選択肢として,異業種(公務員や建設会社)や同業他社などは検討されましたか?その場合,今の会社を選んだ理由や魅力はどこですか?
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平石さん
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一般土木の企業を受けましたが,今まで学んできたのは農業土木であるため,一般土木に分野を変えてまで行く必要はないと判断し,農業土木の大手を就職先に考えました.業種は,詳細な構造物の設計よりも,事業採択までに至る計画に関わる仕事がしたかったため,建設コンサルタントの計画部門を志望しました.
現在勤めている会社には,海外部があり,研修で海外部の事業内容を知ることができたり,海外研修があったりすることが魅力でした.
また,社員に対して,他社と比較しても高い給与があることや資格取得に対して投資を行ってくれる,重要な所にお金をかけるのを惜しまない,やる気がある人に対するサポートが充実しているところも魅力でした.

インターンや就活で印象的だったことを教えてください
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平石さん
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就職活動において「直感」や「フィーリング」も大切だと考えています.自分がこの会社に入って感じたのは,直感的に合うと思った人たちと実際にうまくやっていけているという事実です.
インターンシップやOB・OG訪問などを積極的に行うのはもちろんですが,就職活動で得た「情報」と自分の「感覚」と照らし合わせることが,最終的に納得のいく進路選択につながるのではないかと思います.
仕事内容・やりがいについて


コンサルタント会社とはどのような仕事をするのですか?また,公務員や建設会社の仕事とはどのような違いがありますか?
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平石さん
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公務員は,事業の統括(現場の仕事を確認したり,関係各所と連絡とったり,費用の計算を行うこと)が主な仕事です.
ゼネラル・コントラクター(ゼネコン)は工事を行う現場の監督とその準備が仕事です.
コンサルタント会社は,事業の計画や構造物の設計が仕事です.デスクワークが中心で,静かに集中して仕事を行うことが多いです.
また,コンサルタントは研究職と少し似ているところがあると感じています.研究職は,自分の興味に基づいて研究テーマを設定し深堀していきますが,コンサルタントは発注者と,その先にいる農家の方々の要望を深堀していきます.方向性は違いますが,テーマを深堀していくところが似ていると思います.

これまでに携わった具体的な仕事や業務について教えてください
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平石さん
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①事業計画書の審査対応
発注者が財務省に予算要求するための事業計画書の作成支援に携わりました.書式の確認やデータの更新,根拠資料の確認など細かな対応が求められました.
②ICTの実証実験
個人経営の小規模農家でもICTを活用できるように,ICT導入によるコストと労働時間短縮の効果を調査・分析しました.
③河川協議
10年に一度の水利権の更新に関わる資料の作成を行いました.具体的には,現状作付されている作物から,今後必要となる水の量を計算し,引き続き水利権を取れるように河川管理者に説明する資料を作成しました.作物に必要な水量に直結する,農地の耕作状況を調べるために,ドローンなどを活用した現地調査も行いました.

1日の大まかな業務の流れは?
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平石さん
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9-17時が定時です.
日常業務として,メール確認,社内での打合せ,文書作成,データ分析,GISやCADで図面の整理があります.
また,上半期は月2回程度,研修があり,他部署の業務紹介や外部企業の製品紹介から新たな技術を学んだりします.1か月に1度くらいで出張があり,発注者(農政局や調査管理事務所)との打合せを行ったり,調査業務を実施したりします.下半期は,上半期で収集した情報を分析・とりまとめを行います.工期(成果物の締め切り)が集中する年度末は特に忙しくなります.

実際に職場で働いて,ここが良かった,ここが自分に合っていたと感じるところを教えてください(どのような人がコンサルタント会社に向いていますか)?
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平石さん
- 農業土木の技術への興味が強く,試行錯誤しながら集中して取り組める人が向いていると思います.疑問や課題が生じたときには,同僚・上司・発注者に対して分かりやすく説明する能力も大事です.仕事の幅がとても広いので,好き嫌いをせず,知識や技術に貪欲な姿勢も重要だと感じます.

資格取得について教えてください
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平石さん
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技術士の取得は,コンサルとして活躍するのには必須の資格です.
実務経験が重要となる試験のため,現場経験が試験対策に活きてきます.入社5年目頃から受け始める方が多いです.30代で取得できれば理想的ですが,難易度が高く,40代で取得するケースも多いです.上司の経験によると,勉強習慣がある若いうちに始めるのがおすすめだそうです.
会社には,社内勉強会で先輩社員が指導してくださる勉強会が開催されるなど,資格取得支援体制もあります.
その他の資格として,民間資格(農業土木事業協会など)の取得例もあります.
最後に


高校生や大学生,就活生などに向けて,会社やこの仕事(農業土木職)の魅力をアピールしていただけますか?
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平石さん
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「自由と責任のバランスが取れた職場」だと感じています.
仕事では特に結果が重視されますが,結果を出せるなら細かな働き方の拘束等が比較的少ないところが魅力だと思います.若手にも裁量を与え,会社全体で成長を支援する体制があるので,技術力・経験をしっかり身に着けられる環境が整っています.
また,全国展開のコンサルならではの魅力として,日本各地の農村に出張があり,仕事の合間に地域のグルメや景観を楽しむことができます.

