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INTERVIEW

サンスイコンサルタント株式会社
インタビュー

2025/12/10

建設コンサルタント
  • 日時:2025年10月15日(水)10:00~
  • 場所:サンスイコンサルタント株式会社
PROFILE
  • 矢野 聡恵(やの さとえ)
    矢野 聡恵(やの さとえ)
    卒業年:平成28年卒
    勤続年数:9年
    勤務先:サンスイコンサルタント株式会社 本社技術1部
    担当業務:計画系の部署で事業計画書や全体実施設計書の作成を担当
         前年度までは実施設計の部署に在籍
  • 松下 航
    北 智温(きた ともあつ)
    卒業年::令和5年卒
    勤続年数:2年
    勤務先:サンスイコンサルタント株式会社 本社技術1部
    担当業務:計画系の部署で排水解析業務や排水計画策定業務を担当
ARTICLE
大学での学び/仕事と接点について

勉強面で,特にどの科目等が今の仕事に役に立っていると思いますか?

北さん

北さん

私は入社以来,排水解析業務を担当しています.解析では連続的に計算を行っていますが,その計算には水理学で学んだマニング式を使用しています.大学講義の水理学や水文学で習った公式を実際に使用して解析をしているので,これらの科目は仕事にダイレクトに役立っていると感じています.
矢野さん

矢野さん

私は9年間,実施設計(工事の前段階の設計)をずっとやってきたので,大学で学んだことは,仕事に幅広く役立っています.
構造物を作る際に行う構造計算では,構造力学の知識が必要です.現場の土質を調査して,その土質条件を基に設計を進めていくので土質力学の知識も使います.また,大学ではコンクリートの実験もやったと思いますが,その知識を基に設計していくので,実験科目で経験したことも活きてきます.パイプラインの設計を行うときはヘーゼン・ウィリアムスの公式を使って摩擦損失を出したり,河川では不等流の計算を行ったりして設計を進めるので,水理学も使います.あとは測量も使います.測量でどういうものが必要かということを設計の前段階で考えないといけないので,大学で習ったことは一通り出てきたなというふうに思っています.

大学で学ぶことは多く,実際に構造物の設計を経験する機会はあまりないと思いますが,学びをステップアップしていくには会社の先輩方が教えてくださるのでしょうか?

矢野さん

矢野さん

サンスイは基本的なことを丁寧に教えてくださる方が多いです.大学で学んだ内容を改めて教えていただけるだけでなく,それが実際に設計でどう使われるのかまで説明してもらえます.業務では,まず簡単な構造物から構造計算をして,どこにモーメントが発生してどこに鉄筋を入れればいいかなど,基本的なことから教えてくださるので,少しずつ複雑な構造物の計算をしながらステップアップしていくことができます.水理計算は難しい印象がありますが,マニング式で水深を求めたり,河川の断面が変わる場所で不等流計算を確認したりと,業務を通じて自然に覚えていきます.

つまり,さまざまな業務を経験することで知識と技術を積み重ねていくことができます.おそらく,入社時点で全てを理解している人はほとんどいないと思います.

就活生にアドバイスするなら,就職先を決める際にどのような情報を見て,何を基準に判断したらよかったなと思われますか?

北さん

北さん

週休日数や福利厚生など,会社HPの情報は一通り見ていました.私が一番重要視したのは,通勤のしやすさです(これは農業土木コンサルだけに当てはまることではないですが).その他には,1つの分野の業務だけではなく,様々な分野の業務を実施できる会社規模であるか,長く働いていける環境や雰囲気であるかも重要視して,会社を決めました.
矢野さん

矢野さん

私は,仕事の内容に自分の興味が持てるかどうか,そして転勤をあまりせずに働きたいという点を重視しました.
転勤は避けたいけれど,いろいろな場所には行ってみたいという思いもあり,出張の機会があるサンスイを選びました.

就活生へのアドバイスとしては,自分が何を大事にするかをきちんと分析することです.
プライベートを重視するなら休みが取りやすいかを調べる,給与を重視するなら待遇面を確認するなど,自分の基準に沿って会社を探すと良いと思います.
この点は北君と同じ意見です.

私の場合は,繰り返しになりますが「転勤をせずに働きたいけれどインフラ整備の仕事には興味がある」という理由からコンサルタント会社に絞り,最終的には直感でこの会社に決めました.

直感というのは会社のWebサイトの情報を見てということですか?インターンシップなどでの情報も考慮してということですが?

矢野さん

矢野さん

最初は大学の先生に教えてもらったことがきっかけでサンスイを知りました.そのあと,会社説明会で当時の副社長(現社長)と1対1で話す機会があり,いろいろお話をさせていただいてサンスイで働きたいと思いました.さらに,卒業生の方を紹介していただき,実際お話ししてこの会社で一緒に働きたいなと感じました.
仕事内容・やりがいについて

コンサルタント会社とは,どのような仕事をするのですか?また,公務員や建設会社の仕事との違いを教えてください

北さん

北さん

コンサルタント会社の仕事は,地域の課題を解決するために,国や自治体から業務を受注し,用排水にかかる各種解析や営農計画を立案していくことや,土木構造物(道路・トンネル・水路など)の調査・計画・設計をすることです.
公務員(行政)は,予算管理,業務発注・契約を行い,建設会社(ゼネコン)はコンサルタント会社が作成した図面を基に,実際に構造物を作っていきます.
行政・建設コンサルタント・建設会社の3者が協働して,日本全国のインフラ整備を進めていきます.
その中で,農業土木コンサルタント会社の最終的な役割は,農家の方やその地域が抱えている課題を専門的な技術力で助言をして解決に導くことだと思っています.
地域の課題とは,農業を継続して行うことのできる環境を守るために解決すべき課題のことです.また,専門的な技術力とは,具体的な解析方法や計算手法のことです.大学などの研究機関では,新しい解析方法や計算手法が開発されていますが,そういった最新の手法を取り入れながら,行政や地元の方に対して,論理的にかつ相手に理解してもらえる説明を行うことを大切にしています.
矢野さん

矢野さん

コンサルタントの仕事は,北君の説明にもあったように,担当地区の問題点を聞いてそれを解決していくという仕事ですが,その方法に関しては,様々な提案方法があったり,問題によって解決策もたくさんあったりするので,よりよい方法は何かということを考えて提案していく仕事であると思っています.
北君の説明にあったような解析の手法で解決する方法もありますし,実施設計の分野では,たとえば「取水施設(井戸など)からくみ上げられる水の量が減少し、農家が必要とする水量をまかなえていない」という問題があったとします.
その場合,機械を新しくすべきなのか,施設の規模を変えるべきなのかといった根本的な課題から,地区全体をどう改善するかという大きな課題まで,さまざまなレベルの問題があります.こうした問題に応じて調査を行い,計画を立て,工事につなげる設計を進めるのがコンサルタントの役割です.

コンサルタントの担当範囲はとても広く,問題ごとに解決方法が異なります.
従来の方法でうまくいかない場合は,新しい技術を学び,現場での活用を検討することも重要な業務です.

大学で学んだこと以外にも,入社後に勉強しながら新しい知識や技術を学んでいくのですか?

矢野さん

矢野さん

水理学や土質力学などの基本的なことは大学で学ぶと思いますが,実際に問題を解決するためには,今の世の中にどういう方法があるのか,どういう工法があるのか,どういう製品があるのかということを覚えたり,調べたりしていく必要があります.調べても分からなければ,メーカーに問い合わせることもあります.したがって,常に勉強が必要です.その反面,今まで知らなかったことが分かるようになるという喜びもあります.経験を重ねても新しい知識や技術はどんどん出てくるので,このような学びが楽しいと思える人はコンサルタントに向いていると思います.

これまでに携わった具体的な業務について教えてください

北さん

北さん

私は排水計画業務を担当しています.
農地は住宅地と比べ標高の低いところに多く位置し,中には海面より低いところもあります.そこに雨が降ると,排水先である川や海に,自然に水は流れず,農地に水が溜まります.農地に水が溜まり続けると,農作物に悪影響を及ぼします.例えば,水稲なら,田面(=稲の生える田んぼの土の部分)から深さ30cm以上水が溜まり,それが24時間以上継続すると,稲が充分に呼吸や光合成ができなくなり,お米の収穫量や味などの品質が落ちてしまうといわれています.これを解消するためにポンプを使って溜まった水を排水することを計画します.しかし,ポンプ排水を導入するには,工事のお金やポンプを動かすための電気代,ガソリン代がかかります.これらには我々の税金が使われているほか,農家さんの負担によってまかなわれています.よって,被害を軽減する効果が高く,かつコストを極力抑えるには,どのような排水計画が有効なのか,シミュレーション計算を用いて解明していきます.
シミュレーション計算を行うことで,どのほ場(=農地のこと)が何cm水に浸かりますという結果が得られます.この結果をもとに,被害を解消するために,水路を拡幅して水の流れを良くしましょうとか,ポンプで排水できる量を増やしましょうなどといった計画を,管理者である国や県などに提案する,という業務の流れになります.
矢野さん

矢野さん

私は昨年まで実施設計の部署にいました.実施設計は,工事をする前の段階の設計をすることで,そこでは,基本設計をもとに数量計算や図面作成を行い,そこから工事に対してどのぐらいのお金が必要かを算出します.
去年まではパイプラインの担当で,推進工法を使うことが多かったのですが,例えば,推進工法を使った工事の積算をやっていました.
その他の業務では,ゴム堰を設計したり,井戸の機能診断をしたりもしました.

設計に関して,パイプの大きさや材料に何を使うかというのは,どのように決めますか?

矢野さん

矢野さん

まず現場の地盤の状態を調べて,安全に使えるように計算します.さらに,水の流れや圧力などの条件をもとに,水理の計算を行って適切なサイズを決めます.
もちろん,計算だけでなくコスト面も考慮しながら,最終的に材料や大きさを選んでいきます.

それは一つの部署で事業や設計を担当するのですか?

矢野さん

矢野さん

京都本社には技術1部と2部があり,1部は計画を行い,事業計画の作成等を担当しています.2部は設計を行い,事業計画でこういうものを作りたいねと決めたものを実際に作るにはどうしたらいいのか,どういう管種を使って,どういう工事を行ったらいいのかという詳細を検討する部署になります.部署にはさらにグループがあって,グループごとに専門とする業務が割り振られています.グループに割り振られた業務については,業務の規模にもよりますが,グループ内で手分けしてやったり,一人で担当したりします.

1日の大まかな業務の流れは?

矢野さん

矢野さん

基本的には社内でのデスクワークが中心です.出張は月に1回あるかないか程度ですね.
デスクワークの内容は,報告書の作成や内容の検討,社内での打ち合わせなどが多いです.

1日の流れとしては,まず出社したらメールをチェックします.
発注者とのやり取りができる専用システムがあるので,そこに指示や共有資料が届いていないかを確認します.
その後は,進行中の業務を進めていきます.今は発注者から求められている資料があるので,今日はその資料作りを中心に進めています.
北さん

北さん

基本は朝9時に出社して,終業時間は17時45分(令和8年度から17時30分に変更)です.この間,お昼休憩が1時間あります.時差出勤もできて,30分単位での始業時間の繰り上げ,繰り下げが可能です. 毎日決まって同じ作業を行うわけではないのですが,デスクワークが基本になります.矢野さんと同じで,朝来たらまずメールを確認します.その後,今日一日何をすべきかや,小さな目標を設定したTo Doリストから順番にこなしていく流れです.
出張に関しては,どの地域の業務を担当するかによって行先が変わります.私の部署は東北,北陸,東海,九州地方など様々な地域の仕事を担当しており,今月は週2回ぐらいのペースで出張に行きました.朝に新幹線や飛行機で現地に移動し,午後から発注者との打合せや,地元の人へのヒアリング調査の実施,現地調査などを行い,夜に帰ってくるというパターンが多いです.1泊2日など宿泊を伴う出張もあります.でも,全く出張に行かない月もあり,時期により様々です.

職場で働いていて良かったところや,自分に合っていると感じるところ,会社の魅力について教えてください.

北さん

北さん

行政の仕事は,その地域の課題を整理するなど,地域を深堀りすることで,コンサルタントの仕事は,分野を深掘りしていくことだと思っています.私は排水計画を専門にしていますが,この専門的な技術を使うことで,大雨による湛水被害が多い様々な地域において,課題を解決に導くことができます.地域によって様々な地域特性があるので,必ずしも同じ解決策がどこの地域にも適用できるというわけではありませんが,例えばこの地区では他地区の事例を活かせるのではないか,といった解決の糸口を自分で考えたり検証したりする仕事内容が,自分に合っているのかなと思っています.
矢野さん

矢野さん

地域ごとに課題や条件がまったく違うので,発注者や農家さんと一緒に「営農しやすい」「管理しやすい」形を考え,先輩や上司と相談しながら業務を進められるのが一番楽しいところです.
毎年さまざまな業務を担当しますが,条件が違うため問題になる部分も場所ごとに異なります.そのため,同じ設計をしたことがないと感じることが多く,そこにやりがいを感じていますし,この職場で働いていて良かったと思う点です.

また,会社の特徴として設計をほとんど外注せず,自分たちで行っていることが挙げられます.どんな計算が必要か,どう進めるかを自分で学びながら取り組む必要がありますが,その分知識や技術を自分の力にできるメリットがあります.さらに社内には様々な専門分野の方が在籍しており,困ったときに相談しやすい環境が整っているのも魅力です.

仕事以外の面でいうと,福利厚生として健康促進や子育て支援のための物品を購入できたり,野菜やみかんなどを社内でもらえたり,クリスマスパーティーがあったりと,ありがたい制度や楽しい企画が色々あります.

社内の技術士の取得状況について教えてください.

矢野さん

矢野さん

延べ91名,実人数で66名(技術職の中で36.7%)です.
年々合格者の年齢が若くなっています.サンスイでは,合格した年代は,30代が一番多く,20代で取っている方もいます.男女比では,全国の技術士に占める女性の割合は3%となっていますが,サンスイでは18%です.男女関係なく皆さんどんどん取得するようにしている感じです.

社内で技術士試験の勉強会があったりしますか?

矢野さん

矢野さん

年によっては社内で勉強会が開かれることもあります.会社の中で教えていただいたり,論文を添削してもらったりする機会があります.アドバイスを受けながら,添削を繰り返して勉強を進めていく形です.

特に最初のうちは,論文に書いた内容が問題の意図に合っているかどうかを自分で判断するのが難しいので,添削してもらえるのはとても勉強になります.
キャリアパス/展望

今後,身につけたいスキルや資格はありますでしょうか

矢野さん

矢野さん

今年は,技術士の他に畑地かんがい技士も受ける予定です.業務に関係する資格がいろいろあるので,どんどん取っていきたいです.まずは技術士を取りたいです.
北さん

北さん

私も将来的には技術士は取りたいと考えています.愛媛大学の農業土木プログラムを修了したので,4年の実務経験を積めば技術士の二次試験を受けることができますが,今はまだキャリア2年なので,2年後に受験を考えています.
技術士の資格をもつことにより,行政に提案を行う際に説得力が増すことに加えて,社内でも,責任者として自分がメインで一つの業務を任せられるという立場になれるので,そこを目標に頑張りたいと思っています.
最後に

高校生に伝えておきたいこと,農業土木職や会社についてアピールしたいことなどお聞かせください

北さん

北さん

農業土木という分野はあまり知られていませんし,業界としてもそんなに広くはないので,高校生が触れる機会というのは本当に少ないと思います.私も今まで都市部に住んできて農業土木の,「の」の字も聞いたことなかったです.しかし,一次産業の基盤となる環境を整備するというのは,昨今話題にもよく挙がります,食料自給率の問題の解決,ひいては国力の強靭化に繋がることですし,自分の地域の環境を創っていく,そういったところが魅力だと思います.
矢野さん

矢野さん

最近はお米不足や気候変動の影響で,どう作物を作っていくかが大きな課題になっています.
農業土木の仕事は,そうした問題を基盤整備の面から支えることができるので,とてもやりがいがあります.

必要なのは,これまでの知識だけではありません.新しい技術を取り入れて学び続けることも大切で,自分の中に新しい知識が増えていくのは楽しいことです.

農業土木は幅広い分野があります.解析をする人もいれば,営農の計画を立てる人,環境調査をする人もいます.
一つの分野を極めたい人はそれを追求できますし,幅広く学びたい人はいろいろなことに挑戦できます.
人生の中で興味が出てきた分野に手を伸ばせる職業だと思います.ここが大きな魅力です.

会社の特徴としては,設計をほとんど外注せずに自分たちで行っているため,実際にやってみないと分からないことが多く,計算でも自分でモデルを作り,結果をどう解釈するかを考える経験が大きな力になります.

さらに,社内の風通しが良いのも魅力です.社長や副社長とも気軽に話せる距離感があります.
先日はお弁当を食べていたら社長が現れて,「最近どう?」と声をかけてくださいました.
北さん

北さん

そうですね,社長は相当フランクな方だなと思います.あのアニメ見た?とか.
矢野さん

矢野さん

あと拠点が全国(北海道,東日本,姫路,九州)にあり,自分の出身地の近くなど,希望した勤務地で働くことができます.上層部の方が社員の意見や要望をすごく聞いてくれる会社だと思います.
北さん

北さん

時間有休や病気休暇,サポート休暇などの各種休暇は,上長から取得を後押しする働きかけもあり,取得しやすい雰囲気です.また,時差出勤も気兼ねなく申請でき,自分の状況に合わせた働き方ができる環境だと思います.そして,社長がフランクな方なので,このような相談がしやすいです.
矢野さん

矢野さん

産休育休を取得して復帰する人も多いですね.サンスイには,女性でも働き続けながら産休育休開けに資格を取得して,バリバリ働いている方が,愛大の卒業生の方でもいらっしゃいます.女性もキャリアアップがどんどんできる会社だと思います.