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INTERVIEW

NTCコンサルタンツ
インタビュー

2026/5/1

建設コンサルタント
  • 日時:2025年12月16日(火)10:00~
  • 場所:NTCコンサルタンツ株式会社 中国四国支社
PROFILE
  • 橋本里詩(はしもと さとし)
    橋本里詩(はしもと さとし)
    卒業年:平成15年卒
    勤務年数:22年
    勤務先:NTCコンサルタント株式会社 中国四国社
    担当業務:ため池,パイプライン,水路,頭首工などの実施設計業
  • 占部 旺(うらべ あきら)
    占部 旺(うらべ あきら)
    卒業年:平成31年卒
    勤続年数:7年
    勤務先:NTCコンサルタント株式会社 中国四国社
    担当業務:ほ場整備,発電所関係の更新業務
  • 杓谷昌彦(しゃくたに まさひこ)
    杓谷昌彦(しゃくたに まさひこ)
    卒業年:令和4年卒
    勤続年数:4年
    勤務先:NTCコンサルタント株式会社 中国四国支社
    担当業務:洪水吐改修の実施設計業務,堤体の耐震調査業務
ARTICLE
大学での学び/仕事と接点について

勉強面で,特にどの科目が今の仕事に役に立っていると思いますか?

杓谷さん

杓谷さん

一般に「三力」と呼ばれる,水理学,構造力学,土質力学が実務で役立っていると実感しています.昨年,ため池の洪水吐の改修業務を担当しました.古いため池は洪水吐が小さいことが多く,大雨の際に洪水を十分に排水することができず決壊のリスクがあるため,これを改修する業務です.洪水吐から流れる水の計算では,大学の水理学で習ったベルヌーイの式やマニングの式等の水理計算式を活用できたので,学んでいてよかったと感じました.また,洪水吐の設計では水理計算だけではなく,水路に作用する土圧や水圧などによって部材が壊れないかという計算(部材設計)や,構造物全体の滑動・転倒・支持力不足などに対する安定性の照査(安定計算)をする必要があります.そのような場面において,構造力学や土質力学で習得した知識を活かすことができました.
占部さん

占部さん

三力(水理学,構造力学,土質力学)に加えて,パソコン演習も役立っています.業務(内業)のほとんどがパソコンを使った作業なので,パソコン演習で学んだことが役に立っています.
橋本さん

橋本さん

三力(水理学,構造力学,土質力学)は確かに重要ですが,大学で学んだ計算がそのまま実務に反映されるわけではありません.式を暗記するよりも,曲げモーメント,反力,せん断力といった専門用語を理解し,なぜその式になるのかを説明できることが大切です.実務では発注者や関係者に技術的な根拠を説明する場面が多いため,本質的な理解が求められます.

就活生にアドバイスするなら,就職先を決める際にどのような情報を見て,何を基準に判断するとよいと思われますか?

杓谷さん

杓谷さん

私は地元に近いこと,そして内定を最初にいただいたことが決め手でした.ただ,就職活動全般のアドバイスとしては,インターンシップなどに積極的に参加して職場の雰囲気を肌で感じることが確実だと思います.
橋本さん

橋本さん

私は福利厚生の充実度が重要だと考えます.例えば住宅手当については,企業によって支給額に大きな差があるため,待遇面を比較する上で注目すべき項目の一つだと思います.
占部さん

占部さん

私が当社に就職しようと思ったのは,大学時代にお世話になった教授に勧めていただいたためです.就職先についてぼんやりとした希望条件を相談したところ,自分に適した企業としてNTCを勧めていただいたことが入社のきっかけです.
仕事内容・やりがいについて

コンサルタント会社とは,どのような仕事をするのですか?また,公務員や建設会社の仕事との違いを教えてください

杓谷さん

杓谷さん

コンサルタント会社の仕事内容は,調査・測量・設計などが主となっています.調査業務は,弊社ではボーリング調査が主になっており,現地の地質状況を把握して設計に反映させます.また,工事対象箇所に希少な動植物が生息していないかを確認する環境調査を行う場合もあります.測量業務では,測量の基準となる基準点を設置する基準点測量,地表面の形状・地物を測定して地形図を作成する地形測量,構造物の改修・新設を行う箇所の縦横断図などを作成する路線測量などがあります.設計業務では,弊社ではダム・ため池・頭首工・用排水路・揚排水機場などの農業水利施設の改修または新設工事の設計を行っています.
続いて,公務員や建設会社の仕事との違いについてです.公務員は,国民から集めた税金をもとに事業を計画し,その事業をコンサルタント会社や建設会社に発注するという,事業全体を調整・管理する役割を担っています.建設会社は,コンサルタントが作成した設計をもとに実際に工事を行う役割を担います.
橋本さん

橋本さん

コンサルタント会社は,国や地方自治体が法律に基づいて実施する事業を,技術的な面から支援する役割を担っています.その中でも農業土木分野を担うのがNTCの仕事です.事業の必要性・規模・整備方針などを計画する業務もあれば,事業計画が決定した後に実施される,構造形式などの基本的な諸元を決定する基本設計や,工事発注できる水準まで詳細に設計する実施設計などの業務もあります.基本設計・実施設計を行うにあたっては,まず現地調査やボーリング調査などの調査および測量を実施し,その結果をもとに設計を行うという流れで進みます.これらの調査・測量項目があらかじめ発注者が作成する仕様書に定められている場合もありますが,不足していると判断した場合は,発注者と協議しながら追加調査を提案することもあります.

杓谷さんがこれまでに携わった具体的な業務について教えてください

杓谷さん

杓谷さん

私からは,2年目に担当した排水機場の機能診断業務についてお話しします.まず,機能診断業務の背景について簡単に説明します.農業水利施設の多くは高度経済成長期に集中的に整備されました.しかし,これらの施設には耐用年数があり,老朽化が進行することで機能低下や損傷が生じるケースが増えてきています.老朽化した施設をすべて更新しようとすると莫大な費用が必要となるため,必要最小限の対策で既存の施設をできるだけ長く使い続けようというのが,ストックマネジメントの考え方です.このストックマネジメントを適切に実施するためには,まず施設の老朽化の程度や健全度を正確に把握する必要があり,そのために行うのが機能診断業務です.機能診断業務では,ひび割れ・浮き・鉄筋露出などのコンクリートの変状を確認し,老朽化の程度を評価します.コンクリート構造物だけでなく,ポンプ設備などの機械・電気設備についても,正常に稼働しているか・異音が発生していないかなどを調査し,総合的に老朽化の進行度を評価します.次に,機能診断の結果をもとに機能保全計画を策定します.機能保全計画の策定とは,ポンプ場などの施設において,できるだけ低コストで長期間維持できるよう,補修・更新のタイミングや回数を検討し,長期的なコスト縮減を図る計画を立案する仕事です.
インタビュアー

インタビュアー

調査はご自身で行われるのですか?それとも依頼されるのですか?
杓谷さん

杓谷さん

ポンプ設備等の専門的な知識が必要となるものに関してはメーカーに依頼しています.
インタビュアー

インタビュアー

機能保全計画は,チームで協議して作っていくのですか.
杓谷さん

杓谷さん

チームで協議というよりは,検討の中心となるのは機能保全コストの比較検討です.全面的な更新をするパターンや,部分的な補修を定期的に行うパターンなど複数のシナリオを作成して,機能保全コスト比較を行います.機能保全計画では,これらのシナリオを40年間のトータルコストで比較し,最も機能保全コストが縮減できるシナリオを採用します.

占部さんがこれまでに携わった具体的な業務について教えてください

占部さん

占部さん

私からは,ほ場整備業務についてお話します.本業務は,昔に作られた水田を対象としており,昔の水田は区画が小規模であったり形状が不整形であったりすることが多く,農業機械による作業効率が低いという課題があります.そのため,老朽化により機能が低下した用排水路の更新や,不整形・傾斜した水田の区画整形を行い,営農者が耕作しやすい農地へと作り替えることを目的とした業務です.
業務の流れとしては,まず現地調査により既存施設の現状を把握します.設計では,農道を走行することが想定される車両の種類をもとに農道幅員を決定したり,受益面積から必要水量を算出して用排水路の断面を決定したりします.決定した諸元を基に,農道・用水路・水田区画の線形や配置を検討し,農業機械が円滑に走行・作業できるよう,できるだけ直線的に整形することで,営農者にとって使いやすいほ場を整備します.
インタビュアー

インタビュアー

どれくらいの人数で分担されるのですか.
占部さん

占部さん

中国四国支社には1課・2課があり,私が所属する2課は私を含めて4名で構成されています.業務は基本的にメンバー全員で分担して進めますが,業務の規模や内容によっては1人で担当することもあります.
橋本さん

橋本さん

業務の割り振りにあたっては,業務内容と各担当者の得意分野や適性を考慮しながら,適材適所に配分するよう心がけています.

橋本さんがこれまでに携わった具体的な業務について教えてください

橋本さん

橋本さん

調整池拡張の業務に携わっています.最近は兼業農家が多いので,土日に代かきが集中すると,農業用水が足りなくなることがあります.そのため,調整池というバッファー機能を持たせた施設が必要になります.
既設の調整池を拡張する計画の設計業務ですが,どのように拡張すれば,効率良く農業用水を貯留出来て,工事費が安くなるか,構造的に安定しているかを検討しながら計画します.
また,どこにゲートをつけたら農家の方も施設管理者も使いやすいようになるか,維持管理するときはどうするか,ということも検討しながら計画します.
インタビュアー

インタビュアー

実際に使うときに必要な情報も全部包括して考えているということですね.
橋本さん

橋本さん

工事費等の経済性を重視するのか,安定性・安全面といった地域の住民に与える影響を重視するか等を考えながら設計を行い,最終的に発注者や施設管理者や地元住民の関係機関と協議して決まります.

現在の一日の仕事の流れを教えてください

杓谷さん

杓谷さん

仕事の作業内容から内業と外業に分けられます.
内業は,主にパソコンで作業する日のことです.就業時間は9時から17時となっており,8時50分頃に出社してパソコンを起動し,メールの確認をしながら当日の作業内容を確認して,9時から仕事を開始します.12時から1時間の昼休憩を挟み,13時からまた仕事を再開します.17時が終業時間ですが,業務の進捗状況によっては21時頃まで残業することもあります.残業するかどうかは個人の裁量に委ねられており,その日の業務状況に応じて判断しています.
外業は,主に発注者との打合せや現地調査のほか,研修への参加などがあります.岡山県内だけでなく他県への出張も多いため,出張先によって出社時刻および帰社時刻は異なってきます.また,打合せの開始時間や現地調査に要する時間などを考慮して,現地に泊まることや前日入りすることもあります.
インタビュアー

インタビュアー

分からないことがあった時や何か聞きたい時は,すぐに聞きに行ける環境なのですか.
杓谷さん

杓谷さん

まず,農林水産省や国土交通省が定めた設計基準書を確認し,そこに記載されている内容に従って対応します.基準書に記載がなく解決できない場合は,上司に相談するという流れになります.また,最近は社内でAIの導入が進んでおり,AIを活用して確認することもあります.それでも解決しない場合は,他の支社やメーカーに問い合わせることもあります.

職場で働いていて良かったところや,自分に合っていると感じるところ,会社の魅力について教えてください

橋本さん

橋本さん

私たちの業務では,土・水・コンクリート・鋼構造・電気設備など,多岐にわたる専門分野の知識を総合的に活用しながら結論を導き出す必要があります.NTCにはさまざまな分野の専門家が在籍しているため,社内の知見が豊富です.その結果,発注者に対して多角的な提案ができることが当社の強みだと思います.
杓谷さん

杓谷さん

橋本さんがおっしゃった通り,会社の規模が大きい分,過去の業務事例が豊富に蓄積されており,それらを参考にしながら業務を進められる点も強みだと思います.経験の浅い若手社員にとっても,過去の事例を活用することで業務の質を高められる環境が整っています.
占部さん

占部さん

中国四国支社だけでも愛媛大学卒業生が3人いるように,他支社も含めて社内には愛媛大学出身の方が多数在籍しており,先輩・後輩といった縦のつながりがあります.困ったときに気軽に相談できる関係性が築きやすく,働きやすい環境だと感じています.

技術士の取得は目指されていますか?

橋本さん

橋本さん

資格取得において,日々の業務を通じて培った技術や知識が大きな土台になると考えています.そのため,実践的な経験を積み重ねることを大切にしながら,資格取得を目指しています.
インタビュアー

インタビュアー

日々の業務の積み重ねが知識になっていくのですね.
技術士を取得しようと思ったきっかけや動機は何ですか.
橋本さん

橋本さん

会社として技術士の取得を推進しています.技術士などの資格を保有していないと受注できない業務があるため,仕事を受注する上で必要な資格となっています.
インタビュアー

インタビュアー

技術士試験について,受験を考えていますか?
杓谷さん

杓谷さん

私は地域環境工学コースのJABEEプログラムを修了したので,実務経験年数が満4年になる来年度以降に受験資格を得ることができます.ただ,受験に関しては,より多くの実務経験を積み,知識を深めてから受験したいと考えています.
占部さん

占部さん

私も実務経験が4年を超えており受験資格はありますが,現在も継続して学習中です.十分な実力が身についたと感じた段階で受験に臨みたいと考えています.
キャリアパス/展望

この先どのようなキャリア,人生設計を描いていますか?

杓谷さん

杓谷さん

現在,勤務4年目ですが,設計に関してまだまだ知識や経験が不足していると感じており,実務経験を積み重ねてきた先輩方を見ていると,知識の深さや判断力に大きな差があると実感します.そのため,まずは目の前の業務に真摯に取り組みながら実務経験を積むことに力を注ぎ,目標として技術士などの資格取得を目指しています.
橋本さん

橋本さん

自分の人生より後輩社員の人生の方が気掛かりであるため,後輩社員の人生を勝手に設計しています.
占部さん

占部さん

将来的には,知識を積み重ね,多様な分野に幅広く対応できる技術者になりたいと考えています.また,営農者の立場に立ち,現場の課題解決につながる提案ができる技術者を目指しています.
また,技術士の資格取得を目指し,専門性の向上に努めていきたいと考えています.

最後になりますが,これまでの質問以外で伝えておきたいことや,農業土木職や会社についてアピールしたいことなどお聞かせください

橋本さん

橋本さん

農業土木の魅力は,ダム・ため池・頭首工・用排水路・揚排水機場・農道など対象とする施設が多岐にわたり,様々な専門知識をトータルに組み合わせて考えるところにあると思います.設計者のアプローチ次第で異なる成果が生まれることも多く,そこが難しさでもあり,やりがいでもあります.アイデア一つで設計内容が大きく変わることもあり,創造性が求められる仕事だと感じています.
占部さん

占部さん

三力をはじめ,大学で学んださまざまな知識を実務で直接活かせる点が農業土木職の魅力だと思います.学んできたことが実際の業務に結びついていると実感できる場面が多く,やりがいを感じています.
杓谷さん

杓谷さん

農業土木職の魅力として,受益者の顔が見えやすいという点が挙げられます.道路やトンネルは不特定多数の方が利用するものですが,私たちが行う設計では,実際に農地を耕作する営農者と直接対話しながら設計を進めることが多くあります.受益者の声を直接聞いて設計に反映できることが,大きなやりがいにつながっています.また,中国四国支社は風通しの良い職場だと思います.上司と部下の距離が近く,気軽に意見を伝えやすい雰囲気があることは,働きやすさという観点から大きなアピールポイントだと感じています.