タイトル「改革開放進む中国点描」

中国点描

遼寧師範大学に日本の高校生が留学に来ていた。京都のR高校からの留学生であった。遼寧師範大学とR高校は姉妹校関係にある。中国がはじめてだという高一生の彼らは一カ月の短期留学生で、あと数日で帰国するという。

「中国は人が多く混雑しているのに驚いた。また大連空港に降り立ったとき、放置されたような未完成の空港ビルがあったのでびっくりした。空港全体が整備されていない気がした。道路に信号がほとんどなく、道路を横断するとき車がクラクションを鳴らしながら平気で突っ込んでくるのでこわかった。またショッピングのとき、日本人だとわかると、店のおっさんが値段をふっかけてきた。座りこんで値段の交渉をしたこともあった」とN君はいう。

さらに彼はトイレが断水したことなど宿舎の設備・サービスの悪さを指摘した。「生水が飲めないのは不便だ。冷たいジュースもなかなか手に入らない」とA君が補足した。もっとも私にいわせれば旧ソ連に比べればまだましな方だった。

新聞掲載時の見出し「高校生の見た中国 人情深く 広大さ魅力」

中国がすこぶる気に入って、今度はぜひとも一年間の長期留学をしたいというY君は、(1)中国の女性は美人が多い(2)日本車が多い(3)日本人も多い(4)中国人は人情深い(5)物は豊富だがブランドに似せたまぎらわしい商品名が多い―などの印象を受けたという。

高校生たちはほぼ一カ月の中国滞在をそれなりに満足しているようでもあった。カラオケで中国の先生と一緒に「北国の春」を歌ったことがいい思い出になったと彼らはいう。「中国に長期留学したあと、将来は日中合弁会社で働きたい」「中国の広大さが気に入った」「大連は日本人の立てた建物があってなじみやすかった」「物価が安くて何でも買いやすかった」など、総じて彼らは以前より中国が好きになったという。中国語の文法、会話、中国の文化および唱歌、中国武術を何単位習得したという卒業証書をN君から見せてもらった。

引率のF先生は「生徒は必ずしも熱心ではなかったが、中国の先生は一生懸命指導してくれた。観光のさいにはグループごとに自由行動させたが、治安が良いので安心だった。ただ残念だった点は、中国人は朝が早く、それに対応したプログラムを日本で組めなかったことである」と総括した。高校生たちは彼らなりに、中国に対する理解を深め、ものを見る目が広がったに違いない。

写真「遼寧師範大に短期留学中の日本人学生ら」