Our Research



研究テーマ1
 粘土鉱物、ゼオライトのような土壌に含まれる無機コロイドの表面は、陽・陰イオンや分子と相互に作用(吸着、分解等)しており、自然環境中の物質移動や循環などに大きく寄与している。したがって、これら無機コロイドを単離、あるいは合成して、吸着資材として活用することで、環境汚染物質の除去等を通じた環境の保全や改善が可能となる。

 本研究室では、無機コロイド自身の微細化学構造や表面化学的性質発現機構を、分光学的及び量子化学的手法によって解明すると共に、リン酸、シュウ酸、アセトアルデヒド、トルエン、重金属類、放射性核種などの、無機コロイドへの吸着及び分解現象に関する研究を行っている。さらに、これらの知見をもとに、各種の環境汚染物質を効率的に吸着、分解することのできる、無機コロイド主体の各種資材の開発を目指している。

具体的な研究テーマ

・第一原理計算によるアロフェン全構造の解明
・ゼオライトを用いたセシウム除染シートの開発
・環境にやさしい新規蛍光体の開発

 



研究テーマ2

 人類は、数十cmに満たない土壌を繰り返し耕作することによって、生命の糧と文明を数千年にわたり育んできた。これは、土壌が人をはじめとする生物生存の基盤として不可欠な存在であることを示している。また、土壌は汚染を浄化する環境修復能も有しており、自然状態であれ人為的であれ環境に加わる様々なインパクトに対してその能力を発揮して水圏の汚染低減にも大きく寄与している。しかし、近年、その作用を超えるレベルでの人為的、自然要因による土壌の汚染が増加している。

 本研究室では、土壌汚染が起きる化学的メカニズムや土壌のもつ自然浄化能を明らかにする研究を進めている。 研究では、マクロな現象である(有害)元素の汚染・拡散・濃集現象を、原子・分子レベルのミクロな視点で解き明かすアプローチをとっている。この研究アプローチではまず現象をよく観察することが重要であり、私達はSPring-8等の大型放射光施設(下図)を利用した最先端のX線吸収分光法などを用いることで、試料に含まれる元素の化学種(酸化数、配位環境など)を調べている。

 加えて、計算によるシミュレーション、分子生物学的手法も併用しながら、土壌で起きる(汚染)現象や自然浄化能を本質的に解き明かしたいと考えている。研究で得られる知見は、土壌環境の保全はもちろん、新しい環境修復技術の開発にも役立つ知見であり、私達の研究から多くの有用知見が得られることを目指している。また最近では、未解明な点が多い土壌や海洋での微生物−金属−鉱物相互作用の解明を目指している。放射光源のX線顕微鏡や分子生物学的手法を併用することで、環境中における元素循環に微生物がどのように関与しているのかを調べている。


具体的な研究テーマ
・化学種解明に基づく土壌中における有害元素の挙動解明
・X線顕微鏡による微生物−鉱物界面の直接観察法の開発
・愛媛県をフィールドとした環境土壌学
・微生物による海底地殻風化機構の解明