教育分野概要




 ■ 研究の基本テーマ

流域環境と生態系保全に配慮した「水資源」の開発・管理と浅水域における最適な「水環境」の創生・管理について教育研究を行います.

エジプト,メソポタミア,インダス,黄河の四大文明がすべて河の畔に成立したことを引き合いに出すまでもなく,水は人間の生存にとって欠くことの出来ない資源(水資源と言います)です.

その重要な資源を量(水資源)と質(水環境)の両面から研究をしています.



 ■ 研究内容

 「量」を確保するために,今までは大きなダムを造ってきました.しかしながら大きなダムは環境に与えるインパクトが大きいため,環境への関心が高くなった日本では今後大きなダムが造られることはないでしょう.それにかわる水資源確保の手法として,当研究室では小規模分散・環境融和のコンセプトの下,トンネル貯水を提案しています.トンネル貯水方法は降水量の少ない瀬戸内海島嶼部の水資源開発手法として提案され,愛媛県中島町津和地島に1998年度に完成しました.トンネル貯水の構想は何も島嶼部に限ったことではなく,たとえば道後平野の周辺に貯水トンネルを造ることにより,新たな水源とすることが出来ると考えています.(詳細PDFファイル)

 「量」が確保された水は,必要なところまで河川あるいは水路で導かれます.河川あるいは水路には取水のための堰が設けられます.堰は河川を行き来する生物にとっては障害となります.鮭は成長すると生まれた河川に戻り,産卵します.鮎は,逆に河川を下り河口で産卵します.これらの魚が堰によりその行き来が遮断されてしまうと,絶滅してしまいます.それを防ぐために堰に魚のための通り道(魚道と言います)が造られます.魚道を造る際には対象とする魚の特性を考慮して造りますが,まだまだ不明な点があり,魚にとって上りやすい魚道の研究が続けられています.当研究室では特に魚道の中及びその周辺の水の流れをコンピュータで計算する方法を研究しています.とくに,鮭,鱒など比較的大型の魚を対象とするバーティカルスロット式魚道と自然河川の景観に調和した粗石付き斜路式魚道のシミュレーションモデルを研究しています.ただ,流れがわかるだけでは,それが魚にとって上りやすいのかどうかの判定は難しいところがあります.そのため,当研究室では,魚道での魚の行動のモデル化についても研究しています.そして,流れと魚の行動を合成することにより魚にとって上りやすい魚道の提案を目指しています.(詳細PDFファイル)

 河川あるいは水路を流れてきた水は,下流で必要な水量に調整するために,ため池にためられる場合があります.降水量の少ない道後平野にはたくさんのため池が造られてきました.ため池の水は農薬や生活排水の流入により,最近,急速に汚れてきています.特に生活排水には,窒素やリン等の植物プランクトンが成長するために必要な栄養(栄養塩と言います)が多く含まれているため,夏に植物プランクトン(アオコ)が大増殖し,バスクリンを溶かしたような黄緑色になります.その時ため池の底では酸素がなくなります.生物が棲めなくなっています.そのようなため池では底から水を抜くと硫化水素の悪臭がします.当研究室ではこれらの水の「質」の問題について,松山市のため池を対象として水質の変動システムに関する研究を行っています.(ため池の写真)




松山市のため池

赤池 シダノシタ池
大池 大池