水を的確に表した、昔から有名な詩があります。
「水五訓」
一.自ら活動して他を動かすは水なり
二.障碍に遭いて激し、その勢力を百倍するは水なり
三.常に己れの進路を求めてやまざるは水なり 四.自ら潔うして他の汚濁を洗い、
しかも清併せ容るるは水なり 五.洋々として大海を満たし、 発しては雲となり、雨と変じ、 凍っては玲瓏たる氷雪と化す しかもその性を失わざるは水なり |
老子は水の働きを例に引いて自然を語っています。
上善若水 (老子第8章)
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ギリシャ哲学の祖タレスは「万物の根源は水である」と言っています。
タレスは,アリストテレスにより,素材(質料)因を万有の原理とした最初の人物として哲学史の発端に位置づけられている。彼の思考のうちに,神話的思考からの脱却,ただ理性によってのみ世界を理解しようとする合理的思考の始まりを認めたからである。タレスは,超自然的な神々の名を持ち出すことなく,自然のうちに遍在し,われわれが日常経験する〈水〉によって万有の生成変化と構造の在り方を説明しようとした。すなわち,水から万有は成立し,また水へと還っていくとし,この意味で水は永遠であり(したがって神的でもある),万有の構成素であると考えた。しかし,タレスの〈根元者〉としての水は,たんに生命なき物質としてのそれではなく,アリストテレスも注目したように,万有のうちに遍在し,万有に生命と活動を与える生命原理――〈プシュケー〉(いのち,魂)――でもあったことが注意されねばならない。(広川洋一『平凡社 世界大百科』より) このように「水」については様々な格言・思想があります。 |