酵素学について
酵素は生体触媒とも呼ばれ、ターゲットとなる化合物(基質)に対する選択性が極めて高く、無機触媒に比べてはるかに温和な条件で反応が進行し副産物も出さないため、バイオプロセスの主人公として物質生産・環境浄化等の幅広い分野で活用されています。
1950~60年代にかけて行われた酵素学の研究は、細胞の抽出液の中から新たな酵素活性を見出すといったものでした。しかし、当時発見されたものの中にも、いまだ遺伝子が同定されていないものが多数存在します。当研究室では、上記のような産業的応用も念頭に、新しい反応を触媒する未知の酵素(遺伝子)の発見と、その立体構造と機能の解明に取り組んでいます。
下の立体構造は当研究室で決定した、L-アラビノースを代謝する酵素の酵素-基質-補酵素複合体構造です(PDB ID:7CGQ)。