愛媛大学 大学院農学研究科 附属環境先端技術センター

センター設置の趣旨および沿革

これまでケミカルアブストラクト(アメリカ化学会データベース)に登録されている化学物質の種類数は、2億種を超え、今日、私たちは種々の化学物質に囲まれ、その恩恵に浴し、快適に日々の生活を過ごしています。一方、それら多様な化学物質の中には、微量であっても、私たちの健康や生態系を構成する様々な生物に悪影響を及ぼすものや、環境中に残留し、地球規模での汚染を引き起こす物質もあることがわかっています。

また、近年、農薬や工業材料などとして製造・使用されている、いわゆる意図的につくられた化学物質以外にも、非意図的に人間活動で生成する化学物質による環境汚染も知られるようになりました。このような現状のもとで、どのような環境汚染物質(環境化学物質)が、どのくらいのレベルで環境中に存在するのか超微量レベルで分析し、汚染影響を評価する必要性が世界的に強まっています。

農学部では、昭和40年代から一貫してPCBやダイオキシン等の環境汚染物質の微量分析法の開発研究や環境動態解明などに取り組み、当該研究分野において世界的水準の研究を展開してきました。このようにして培われた高度な環境先端技術を駆使し、さらに新たな環境化学物質の分析方法の開発や動態解明、対策技術の開発などの調査研究を行う農学部附属環境先端技術センターを平成19年4月1日に、設置しました。

本センターは、愛媛大学農学部がこれまで築あげてきた環境にかかわる技術を総合的かつ有機的に活用し、国内外の環境改善や環境保全の動きに協力して安全な社会の構築に貢献することを掲げ、環境化学物質に関する研究を通して社会システムの改善に寄与するとともに、農学部の教育研究機能の一層の向上に資することを目指しています。

これまでに、微量環境汚染物質の計測技術や有害性評価等に関する基礎的及び専門的な知識と技術を付与することを目的として、微量物質測定や毒性試験に関する様々な教育研究活動とともに、民間技術者や海外の連携研究者を対象に,農薬類・残留性有機汚染物質等の測定分析の研修、などの事業も行ってきました。また、地域で環境・廃棄物等の問題が発生した場合、環境調査、環境計測・分析、研究開発などにより、改善計画等についてその対応の受託などの貢献を行っています。

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