愛媛大学農学部環境昆虫学研究室は,故石原保教授が,愛媛大学農学部の前身である愛媛県立農林専門学校に着任された1945年(昭和20年)に開設されて以来,250名近い卒業生を送り出してきました.
当研究室は歴代教官が昆虫分類学を専門としたこともあって,生物学の基礎である「分類学」を教育,研究できる全国でも数少ない貴重な研究室として知られています.
この背景には,当研究室が誇る我が国有数の昆虫標本コレクションがあります.これは歴代教官を始め、専攻学生や各地の協力者の努力によって蒐集されたもので,現在では実に120万頭を超える大コレクションとなっています.このコレクションには,四国産の昆虫類を中心に,日本,東南アジア,さらに世界各地の標本が集められており,その中には新種として記載された多数の模式標本も含まれています.
我が国有数の120万頭以上にも及ぶ昆虫標本コレクションを活用した分類学の研究や,分類学を通して生態系の構成要素を認識することによって地域のファウナを解明し,また生物多様性に基づいた環境評価法を確立するための研究などを行っています. さらに、生物生産環境における害虫および有用昆虫の生態の研究,並びに天敵の有効利用を含む害虫管理のための総合的防除技術の研究なども行っています.
左)2段重ねの標本ダンスが収められる標本室内部. 右)標本ダンス内部には標本箱がぎっしり.
生物実験室出来る.旧校舎から移る.このころ初めて標本ダンスを購入.
1954