愛媛大学農学部は総合大学の学部が揃っているといって過言でないほど、バラエティに富んだ研究が行われています。その中でも【機械工学系】・【土木工学系】・【経営学系】・【果樹・野菜の栽培系】の研究者が集結し、2020年度に愛媛大学大学院農学研究科研究グループとして認められました。
将来を背負う若者たちが魅力を感じる持続可能な急傾斜農業を実現します!
設置目的
新たな農業技術としてスマート農業が注目されています。
農業ロボットはその必須アイテムです。農業ロボットの研究開発は急速に進んでいますが,現段階で農業ロボットが実用化されているのは,水田や施設園芸のように,整備され平坦で均一化されている農地が主となっています。また、最近は草刈ロボットやドローンなどの小型農業ロボットも活躍するようになってきています。
愛媛県など瀬戸内では,急傾斜農地の割合が他の地域よりも高く,農作業は非常に過酷で危険を伴います。こういった場所こそ、農業ロボットが活躍すべきところと考えていますが、愛媛県は傾斜15度以上の急傾斜園地が60%以上となっており,現状では機械導入すら困難な状況です。
こういった状況を打破するため、「急傾斜地農業の超省力化・高品質生産のための小型ロボット農業システム研究グループ」を設置しました。
第1期(2020~2022年度)の研究計画
年度 | 実施内容 |
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2020年度 | 各種ロボット、管理システムに関する要素技術 |
2021年度 | ロボット開発とロボット高適応性圃場/栽培体系の構築 |
2022年度 | 高適応性圃場と一般圃場での労働生産性の調査 ロボット農業システムのモデル作成 |
2020年度実施テーマ
- 急傾斜地向け電動走行ユニットの試作と圃場試験
- 急傾斜柑橘園向け農薬散布ドローンの葉裏付着率向上に向けた数値シミュレーションと基礎試験
- 柑橘の新機械化樹形検討と栽培方法の確立
- 柑橘のジョイント型樹形における摘果果実検出
- 樹形垂直プロファイルと光合成モデルに基づく柑橘ハウス内の炭酸ガス環境の最適化
- 急傾斜樹園地の基盤整備に係る計画立案・合意形成手法の事例研究
- 豪雨でも崩れにくい園地に改良する技術の開発
- 樹園地における斜面崩壊の防災・減災に関する研究
- 愛媛県におけるスマート農業の現状に関する調査・研究
- 画像処理によるサトイモの階級・等級判定に関する基礎研究