Work of Hiroshi Nonami with a pressure probe. (Plant Physiology (1993) 102: 13-19.)


環境植物生理学研究室

植物生理・細胞生理を基礎とする生体計測,環境ストレス下での遺伝子発現の機構について教育研究を行う。環境ストレスの中でも,水ストレスに関する研究を行っており,水分生理を重点的に教育研究する。さらに,植物組織培養,細胞融合,水耕・養液栽培,懸濁液耕法を種苗生産に応用して,植物の生理生態学的側面から,各種栽培環境の調節,コンピュ−ターを用いた栽培システムの自動化,生育プロセスの解析と人工環境栽培管理法の確立などについても教育研究を行う。

環境植物生理学研究室では,物理化学・分子生物学を基礎におく水分生理学的な研究教育と養液栽培学的な研究教育に重点を置いている。 

  水ポテンシャル計測には自作した等圧式サイクロメーター,プレッシャーチャンバーを用いている。植物組織を凍結解凍後,サイクロメーターで浸透ポテンシャルを計測でき,水ポテンシャルと浸透ポテンシャルの差から膨圧が求まる。細胞レベルでの計測では,プレッシャープローブ,ピコリッターオズモメーターを用いて,細胞膨圧と細胞浸透ポテンシャルを計測している。細胞の水ポテンシャルは細胞膨圧と浸透ポテンシャルの和から求まる。細胞レベルにおける生長に伴った水ポテンシャル(Growth-induced Water Potential)をダイズモヤシでプレッシャープローブを用いて計測した例がPlant Physiologyの表紙に掲載されている(上記挿絵)。水ポテンシャル計測は,土,溶液,果実,葉,茎,花,根などすべてのサンプルで±0.01MPaの精度で計測でき,世界でも精度が最も高く計測できるシステムを構築している。

また,近年レーザーイオン化飛行時間型質量分析計(MALDI TOF-MS)を用いてタンパク質,多糖類,核酸(DNA/RNA),ポリマーなどの生体高分子を超微量で分析する計測法を開発している。とくに,レーザーイオン化試薬(MALDI matrix:マトリックス有機化合物)の開発には力を入れていて,新しいMALDI TOF-MS用のマトリックス開発で国際的な業績をあげている。 質量分析にはレーザーイオン化法,エレクトロスプレー法,エレクトロインパクト法を用いた5台の質量分析計を使用している。

質量分析に関してブエノスアイレス大学のR. Erra-Balsells教授のグループと共同研究を行っている。とくに、ブエノスアイレス大学のR. Erra-Balsells教授の属する基礎・自然科学部からは糖質分子の研究に関連して3名のノーベル賞受賞者を輩出しており,糖質分子の計測に関する研究では世界でも最高レベルにある。本研究室では,毎年ブエノスアイレス大学から4−6ヶ月間教員が来て,研究室のゼミおよび学生教育に当たっている。特典として,英語が上達することと,ヨーロッパ(スペイン,フランス,ドイツ,イタリア)およびアメリカ合衆国で研究することが可能となる。

卒業生は,明治大学助教授,田中耕一記念質量分析研究所研究員,米国カリフォルニア大学デービス校研究助手,米国ペンシルバニア州立大学研究助手として国際的に活躍している学生もおり,公立の研究所の研究員になっているものも多く輩出している。

愛媛大学・ブエノスアイレス大学学術交流協定

愛媛大学農学部およびブエノスアイレス大学自然・基礎科学部間学術交流協定


連絡先
郵便番号 790-8566
住所 愛媛県松山市樽味3−5−7 愛媛大学農学部環境植物生理学研究室
電話・FAX 089-946-9824

E-mail: nonami@agr.ehime-u.ac.jp                



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